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2021.03.22
財務報告実務検定とは
企業にとって経営状況を開示するディスクロージャーは対外的信用を得るために必要な業務です。
ディスクロージャーの育成に寄与する検定試験の1つが「財務報告実務検定試験」です。
財務報告実務検定試験は2010年1月から実施されている比較的新しい試験であるため、存在や概要を知らない方も多いでしょう。
この記事では財務報告実務検定試験の概要や試験の対象者、受験するメリットなどについて解説します。
INDEX
財務報告実務検定は、上場企業の財務報告書類作成の実務能力を証明できる検定試験です。
財務報告実務検定事務局が主催しています。
財務報告実務検定の対象者は、財務報告書類の作成や開示に関わる仕事をしている方が多いです。
具体的には
等が挙げられます。
ディスクロージャーとは企業の財務報告書類を開示し、経営状況を明らかにすることです。
株式会社には貸借対照表などの計算書類を事業年度毎に作成することが義務付けられている(会社法435条2項)など、企業にとってディスクロージャーは必要不可欠です。
財務報告書類の作成や開示といったディスクロージャーに関わる方は、財務報告実務検定の取得により職務に直結する知識を習得できます。
経理、財務IR、経営企画などの担当者は、財務報告書類の基本となる書類作成等を職務とします。
財務報告実務検定で高度な知識を習得することはスキルアップになりえます。
公認会計士は企業のディスクロージャーに必要な計算書類の監査をします。
財務報告実務検定で学ぶ知識は公認会計士の実務に必要な知識習得に資するため、経験が浅い公認会計士にとっては有益と言えるでしょう。
財務報告実務検定を受験するメリットは、ディスクロージャーに関する資料の作成能力から財務報告の開示能力まで習得できることです。
また、財務報告実務検定を取得すれば、試験科目やその称号によりディスクロージャーに関するスキルレベルを詳細に証明できるメリットがあります。
財務報告実務検定の試験科目には、
の2つがあります。
「凍結実務演習編」は、連結財務諸表の作成に必要な基礎資料の作成から連結財務諸表が作成されるまでのデータの流れや手順、開示のルールなどの連結財務諸表を作成し開示するまでの知識が問われます。
「開示様式理解編」は、財務報告をするために必要な開示能力のスキルとして決算・財務報告プロセスに必要な内部統制までを体系的に広範囲に理解しているかが問われます。
また、「開示様式理解編」には、Basic、Standard、Advancedという3つの称号があり、点数によって区分されています。
財務報告実務検定試験について、試験科目ごとに、
をまとめています。
※金額はいずれも税込みです。2021年4月時点の情報を記載しています。最新情報は「財務報告実務検定公式サイト」をご覧ください。
はじめに、財務報告実務検定の連結実務演習編です。
受験資格はなく、誰でも受験できます。
※「簿記3級以上の知識を有していることが望ましい」とされています。
CBT(Computer Based Testing)方式(コンピュータ画面での試験)
13,200円(財務報告実務検定会員は11,000円)
CBT方式であるため、受験会場を含め試験日は自由に選択できます。
受験申込み(予約)は受験日の3日前まで可能ですが、会場や日時によっては予約が満席となりますので、予約は早めにすることをおすすめします。
100点満点中70点以上
連結実務演習編のみの合格率は公開されていませんが、受験生は開示様式理解編と同様と考えられます。
しががって開示様式理解編Basic以上の合格率(70%ほど)と予測されます。
難易度としてはやや難しいレベルです。
試験の出題は有価証券報告書が約50%を占めるなど、財務報告書類の作成や開示に関する知識がない方が独学で合格を目指すのは容易ではありません。
つづいて、財務報告実務検定の開示様式理解編です。
受験資格はなく、誰でも受験できます。
※「簿記3級以上の知識を有していることが望ましい」とされています。
CBT(Computer Based Testing)方式(コンピュータ画面での試験)
13,200円(財務報告実務検定会員は11,000円)
出題範囲は以下の通りです。
CBT方式であるため、受験会場を含め試験日は自由に選択できます。
受験申込み(予約)は受験日の3日前まで可能ですが、会場や日時によっては予約が満席となりますので、予約は早めにすることをおすすめします。
スコアのレンジ(点数、称号、スキルレベル)は、以下の通りです。
点数のレンジ | 称号 | スキルレベル |
1,000~800点 | 財務報告実務検定Advanced | 財務報告書類の作成・開示を指揮する能力を備えている |
799~600点 | 財務報告実務検定Standard | 開示実務担当者としての能力を備えている |
599~400点 | 財務報告実務検定Basic | 開示実務の補助者としての能力を備えている |
399点以下 | なし | 開示実務に求められる最低限のスキルレベルに到達していないものと考えられる |
全受験生のうちBasic以上の合格率は70%程度です。
合格者のうちAdvanced合格は15%程度、Standard合格は35%程度、残りの50%程度がBasic合格です。
Basic以上合格を基準として、難易度としてはやや難しいレベルです。
受検者は財務報告書類の作成や開示に関わる仕事をしている方が多いため、Basic以上の合格率が70%程度といっても決して難易度は低くありません。また、Advanced合格は全受験生の10%です。
財務報告書類の作成や開示に関する知識がない方が独学で合格を目指すのは容易ではありません。
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