2021.08.14
四大法律事務所の弁護士の年収や働き方をインタビュー【転職体験談/前編】

日本を代表する企業をクライアントに多く持ち、報酬水準も高いことで有名な四大法律事務所。

四大法律事務所に所属する弁護士は、企業法務の弁護士事務所、企業内弁護士を採用したい企業から引く手あまたです。

しかし実体となると、評判・噂レベルであることも多く、どんな働き方なのか、転職活動での評価はどうなるかなど、知られていないことも多いのではないでしょうか。

この記事では、実際に四大法律事務所で働かれており、スタートアップのインハウスローヤーに転職した金子弁護士(仮名)にインタビューを行った内容をまとめています。

前編では、

  • 弁護士を志した理由
  • 就職活動について
  • 四大法律事務所への入所の決め手
  • 四大法律事務所の働き方ややりがい、年収

などをまとめています。

弁護士を目指した理由

--まず簡単に自己紹介をお願いします。

大学入学と同時に司法試験の勉強を始め、予備校に通い、大学3年生で予備試験に合格、4年生で司法試験に合格しました。

その後就職活動をして、四大法律事務所を1つ目のキャリアとして選びました。

--在学中に司法試験に合格なさっているんですね。元々弁護士になろうと思っていたんですか?

付属高校からの内部進学だったので、大学の学部を決める段階で、司法試験に合格して弁護士を目指そうと考えていました。

なので、高校の終わり頃から決意していましたね。

--なぜ弁護士になろうと思われたのですか?

きっかけはいろいろとありましたが、1つ大きなものとして、冤罪事件のニュースを目にしたということがあります。

事件の詳細を知るうちに、自分の身を守るには法律を勉強しなければいけないと思ったのと、法律を知っていれば自分だけでなく身の周りの人も助けられるのではないかと思いました。

まずは自分のために勉強しよう、せっかく勉強するなら資格も取ろうと思い、徐々に弁護士に興味が湧いてきましたね。

--大学に入学し予備試験・司法試験の受験をする中で、弁護士以外の職業(裁判官、検察官等)との間で迷うことはありませんでしたか?

法律の勉強を始めた大きな動機として、刑事弁護や身の周りの人の力になるというのがあったので、弁護士を目指すという点に揺るぎはなかったです。

ただ、司法修習で裁判官や検察官の方々が信念を持って事件と向き合っている姿を目の当たりにして、憧れを抱いたことはあります。

--進路決定の際の情報収集と意思決定について教えてください。

漠然と弁護士になろうと思いながら勉強していたため、受験期間中、特に予備試験合格までは、四大法律事務所の「四」に何が含まれるかも知らず、何もわからない状態でした。

予備試験に合格した途端、インターンの情報が周りから流れてきて、焦りながらも勢いで色々な事務所に応募しました。

インターンに参加している最中も司法試験が迫っていたので、今思えば、かなりタイトなスケジュールの中で就職活動をしていたなと思います。そういう意味ではキャリアについてゆっくり考える時間は当時あまりなかったと感じています。

特に、いわゆるマチ弁と呼ばれる、一般民事を中心に活動される弁護士の方々のお話を伺う機会は就職活動中にはありませんでした。司法修習で初めてそういった方々とお会いし、まだまだ知らない弁護士の世界があるのだなと思いました。

結果的に私の1つ目のキャリア選択に間違いはなかったと今でも確信していますが、就職活動期間中により広くを知る時間を取っても良かったんじゃないかな、という思いは今でもあります。

--司法修習等を通じてさまざまな弁護士と関わられたと思います。高校生で弁護士を目指した頃にイメージしていた弁護士像と、実際試験を受け就職活動をした後に抱いた弁護士像に違いは感じましたか?

高校生の頃にイメージしていた弁護士像はドラマ等に拠るところが大きかったですが、勉強を進めていくうちに多数の弁護士がやっている業務は当初のイメージと違うということを薄々感じ始めました。

なので、司法修習に行ってから初めて気が付いた、就職してから初めて気が付いた、ということはありませんが、一番初めに抱いていたイメージと実際が多少異なっていたというのは事実です。

四大法律事務所での働き方

--最初に就職された四大事務所を選んだ決め手は何ですか?

四大法律事務所全てのインターンに参加しましたが、正直明確な違いはなかなか見出せず、インターンの中で「他の四大との違いはなんですか?」と聞いても、ピンとくる回答は得られなかったと記憶しています。

今思えば、それぞれが強みとする分野は異なるものの、大きな意味では四大法律事務所というくくりのなかの4つなんだなと思います。

最終的には、私目線での、インターンでお会いした先生方の人柄や熱意、輝きっぷりなどをもとに、「この人たちと働きたい」「この人達と働くことで自分は成長できるはずだ」と1番に思えた事務所を選ばせていただきました。

--最後は「人」の部分が大きかったのですね。

そうですね。

実際、入所後には、インターンやリクルートの際にお世話になった先生方と一緒にお仕事をさせて頂く機会が多くあり、人で選んで間違いはなかったなと思いました。

--執務を始められて実際にどういった業務や案件を担当されていたのでしょうか?

ざっくりと言えばM&Aのフロアに配属になり、大枠としてはその中でやってきました。

中学生の頃に海外に住んでいた経験もあり、英語は一応使えたので、英語案件もそれなりに担当させていただきました。

--入所されたときに「こういう案件に携わりたい」と希望を伝えたりされていましたか?

希望をアピールできる場面は何度もありました。

ただ、実際にやってみないと分からないということもあって、ざっくりと「M&Aをやりたい」「英語を活かしたい」と伝えていましたね。その希望は通りました。

--実際に弁護士として働いてみてやりがいに感じる部分はどんな所でしょうか?

「自分がいたからこそ、この案件はうまくいったんだ」と思えることが稀にあり、特にスタートアップがクライアントの案件では、私が全体的に案件をハンドリングして、クライアントと直接コミュニケーションをとって、私が作成したドラフトが先輩のレビューを経てほぼ原型のまま出ていく、ということがありました。

そういったときには「私がいたからこの案件は回ったんだ」と自覚を持てたり、クライアントから直接電話で感謝をして頂いたりして、やりがいを感じました。

--四大事務所だと有名な大手企業のクライアントが多いイメージですが、スタートアップのクライアントもいるのですね。金子さんは元々スタートアップへの関心も強かったのですか?

スタートアップのクライアントも一定数います

弁護士を目指して勉強を始めた頃にはあまり意識していませんでしたが、周りの友人がそれぞれの道に進んでいく中で、起業する人やスタートアップに転職する人が増えてきました。

その友人たちに「いつか法律面で手伝って欲しい」「今困っていて、相談にのってほしい」と言ってもらう機会が増え、自分を必要としてくれる友人たちの力になれる経験を積みたいと考えるようになりました。

そのような経緯があり、スタートアップの業務に携わりたいと徐々に考えるようになりました。

--実際の働き方についてお伺いします。四大法律事務所は忙しいと聞きますが、実際入所されてみていかがでしたか?

私の場合は、朝は会議がなければ9~10時頃にスタートしていました。

終わりは時期にもよりますが、深夜2~3時に終わることもあれば、夜の予定に合わせて20時に切り上げるということもありました。朝まで働くこともありました。

平均的な時間は中々言いづらいところがありますが、自分の裁量でうまく調整することは可能でした。仕事に使う時間を上手く調整して如何にプライベートの時間を確保するか、というところも腕の見せ所だと思います。

土日も仕事をすることはあります。先に予定を入れてしまって、その予定を死守するために他の時間に仕事をするイメージです。

このようなスタイルで働かれている方は多いと思います。

--忙しいのは忙しいけど、ある程度自分でコントロールできる部分もありそうですね。

ロングスパンで動いている案件は、ある程度自分の頑張り時を決めて調整できます

他方で、クライアントから今日中にとか、来週月曜までにとか、今すぐにとかの対応を求められるとそこは仕方ありません。

ですが、どうしても自分で対応しきれない時は、周りに相談すれば、うまく連携をとってくれたりもします。

ここの調整も、腕の見せ所だと思います。一人で抱え込んだ結果パンクしてしまっては、結果的に皆に迷惑がかかってしまいますからね。

--ちなみにリモートワークは実施されていますか?

コロナの深刻度に応じて変化していましたが、基本的には必要がなければ「来なくてもいい」もしくは「来るな」と言われていました。

1週間ずっと在宅勤務をするときもあれば、案件次第では数日連続で事務所にいくこともあります。

--案件の特性によって柔軟に対応されていたんですね。最後に、気になられる方が多い待遇について伺います。世間一般からすると四大法律事務所は好待遇なイメージですが、だいたい年収はどのくらいでしたか?

四大・五大法律事務所はだいたい同じだと思いますが、私の場合は最初は年収1,200万円(月100万円)です。

源泉徴収をされて、実際に自分の口座に振り込まれる額は、月90万円弱でした。

▶後編はこちら:四大法律事務所からスタートアップのインハウスローヤーへ【転職体験談】

CONSULTANT

糸岡 樹慧 2016年創業期の株式会社ファンオブライフに参画し、人材紹介サービス立ち上げ・拡大に従事。現在はリーガル専門のエグゼクティブコンサルタントとして、弁護士・法務パーソンのキャリア支援を行う。国内外の法律事務所や、メーカー・商社・金融・IT業界等の企業法務部とのネットワークが強み。​

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