2021.10.17
弁護士も営業活動は必要|その理由と具体的手法

弁護士になるだけでは仕事を得られるとは限りません。

安定して仕事を得るためには、弁護士でも営業活動が必要です。

ただし、弁護士は品位ある行動を求められているため、ほかの営利団体のような積極的な営業活動はできません。

この記事では、弁護士の営業活動について、方法や注意点について解説します。

弁護士にも営業活動が必要とされる理由

かつては、弁護士になるだけで安定して依頼が来ていたときもありました。

しかし昨今では、弁護士の数は年々増加しているうえに、民事裁判の事件数は減少傾向にあります。

そのため、何もしなければ十分に稼げない弁護士もいることが現実です。

弁護士も工夫して営業活動をしていかなければ、仕事を得られない可能性があります。

ただ、弁護士の場合は、通常の営利団体とは違い、品位をもち適切な営業活動を行わなければなりません。

弁護士の営業活動における課題

弁護士の営業活動には、ほかの職業にはないような課題があります。どのような課題か解説します。

品位をもって営業しなければならない

弁護士法56条1項により、弁護士は「品位を失うべき非行」はしてはいけないと定められています。

そのため、営業活動にはより一層注意を払わなければなりません。

顧客の不安感を煽って契約につなげる行為や、過剰にメリットばかりを強調するような営業活動は不適切でしょう。

弁護士法違反とならないまでも、弁護士という職務の性質上、品位のない営業活動は顧客に不安を与えます。

依頼をするときに不安を抱かれるようなことはしないようしましょう。

積極的な営業はできない

弁護士のおもな仕事は、紛争で大変な思いをしている人を助けることです。

そのため、積極的な営業活動は、第三者の不幸やトラブルを楽しみにしている、と誤解されかねません。

辛い気持ちでいる人が相手だということを忘れずに営業活動を行う必要があります。

相手が迷っているときに、グイグイ迫るような営業はしてはいけません。

サービスの単価が高い

弁護士に依頼をすると、一般的に依頼人は数十万単位の報酬金を支払います。

特に個人の顧客にとっては大きな支出であり、依頼をするまでのハードルは高めといえるでしょう。

低単価商品を販売するときのような営業活動は、弁護士業では不適切なうえ、効果が薄いと考えられます。

顧客のことを考えた営業活動を行わなければなりません。

目にみえるサービスではない

弁護士業務はおもに紛争解決であり、必ずしもわかりやすい結果を得られるわけではありません。

商品が手元にとどく、目にみえて結果がでるといったものではなく、解決方法も紛争によってさまざまで明確ではありません。

そのため、顧客に具体的な効果は示せず、メリットを客観的に解説するような営業活動はできないでしょう。

理想通りの結果が得られるとは限らない

法律の壁や相手方のこともあり、結果が顧客の理想通りになるとは限りません。

ときには譲歩しなければならないですし、弁護士が努力をしても敗訴する可能性があります。

そういった事情から、「必ず解決する」といった宣伝文句は誇大広告となります。

顧客の興味を引くような営業ができないことも弁護士の営業活動における課題です。

弁護士ができる営業方法

弁護士独特の課題をクリアしつつ効果が期待できるような営業方法を紹介します。

ホームページ運用

今や、ホームページ運用は必須とも言えるでしょう。

何か困ったときには、まずインターネットで検索する人が増えているため、街中に看板を出していてもなかなか依頼者は訪れません。

何か弁護士が必要な事態に陥った人が検索したときに、自分の事務所のホームページがヒットするように運営するとよいでしょう。

SNS運用

SNSの実名運用も大事な営業活動の一つです。

SNSで何気ない普段の投稿を重ね、フォロワーと交流していけば、フォロワーは自然と信頼感を抱きます。

「何かあったときには、この先生に頼ろう」と思ってくれるかもしれません。

個人ではなく事務所用のアカウントを運用する方法もあります。

Facebookは多くの企業アカウントが運用されていて、使いやすいでしょう。

YouTubeで自身の法的見解を発信する弁護士も増加傾向にあります。動画の場合、視聴者の印象に残りやすく、依頼に繋がる可能性もあるでしょう。

弁護士相談サイトに登録

インターネットサービスのなかには、実際の弁護士が名前と顔写真を掲載し、寄せられた法律相談に答えるようなサイトもあります。

このサイトに登録し、親身になって回答すれば、質問をした人、それをみた人から依頼される可能性があります。

地道な作業ではありますが、自分をアピールするよい機会になるでしょう。

無料相談の実施

通常、弁護士への相談は30分5,000円ほどかかります。

この初回相談を無料にすると、顧客にとって相談へのハードルは下がるでしょう。

顧客も安心でき、双方にとってプラスになる営業活動といえます。

セミナーや講演会

弁護士として、一般人向けのセミナーや講演会に登壇すると、品位を保ちつつ自分をアピールできます。

こういったセミナーや講演会で講師になれる弁護士に信頼を寄せる人は多く、知名度アップのほか信用度を高められるでしょう。

講演会の講師を探すためのサービスに登録すると、希望がマッチすれば依頼を受けられる可能性があります。

本の出版

集客のためには、弁護士や法学者向けの専門書ではなく、一般人向けのわかりやすい内容のものがよいでしょう。

本の著作者に対しては信頼度が高くなるという人も多く、読者から依頼を受ける可能性もあります。

本はインターネットをあまりみない年齢層にも届くため、幅広い人に対する営業活動になるでしょう。

既存顧客を大切にすることも営業活動のなかの一つ

さまざまな営業活動の手法を紹介しましたが、すでに付き合いがある既存顧客を大切にすることも大事な営業活動の一つといえます。

依頼に対して真摯に向きあい、弁護士業の実績を積んでいけば、弁護士としての知名度が広がることもあるでしょう。

インターネットを活用した営業活動により集客に成功しても、肝心の弁護士業務に問題があれば顧客は離れていきます。

なぜ営業活動を行うのかを常に念頭に置きつつ、しっかりと弁護士業務を行うようにしましょう。

弁護士の営業活動における禁止事項

弁護士は自由な営業活動はできません。

この章では、弁護士が営業活動においてやってはいけないことについて解説します。

非弁提携

非弁活動とは、報酬を得る目的で、弁護士ではない人や法人が弁護士にしか許されていない行為を行うことをいいます。

非弁提携とは、弁護士が非弁活動を行う人や法人の幇助を行うことです。

案件欲しさ、報酬目的により非弁活動業者と関わると、弁護士法違反になり、退会処分を受けるかもしれません。

事件の誘発

事件の誘発とは、弁護士自ら事件が起こるように誘導し、その案件を引き受けるというものです。

自ら事件を作り出すことは、紛争解決のための弁護士として本末転倒になります。

こういった行為は弁護士職務基本規定として定められており、事件の誘発を行った弁護士は懲戒処分に繫がる可能性も高いでしょう。

飛び込み営業

弁護士は品位ある行動を求められます。そのため、通常の営業活動としてよく行われる飛び込み営業は禁止されています。

民家や企業に自ら出向き、何か困っていることがないか等聞き込みにいくことはできません。

飛び込み営業は、本来ではなるべく遠ざけたい紛争を歓迎するようなもので、弁護士の行動として問題があるといえます。

特定事件の勧誘

弁護士は、ある特定の事件が起きたときに、その事件の当事者に対して郵便などで広告を送ってはいけないとされています。

テレビのニュースなどで問題が起きたとき、自分が助けられると思っていても広告を送付することはやめましょう。

例外として、公益性があり、所属弁護士会の承認を得られた場合は特定事件の勧誘は許されます。

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