2021.10.05
弁理士とは知的財産に関する専門家

弁理士は知的財産権を取扱う法律家です。

弁護士や司法書士と違い、あまり馴染みのない方もいるかもしれません。

この記事では弁理士の業務内容や働き方、弁理士になる方法等を解説します。

弁理士とは

弁理士とは、知的財産権に関する手続きを業務として代理することができる国家資格者です。

知的財産権とは

知的財産権とは、人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などにのうち財産的な価値を持つものの総称です。

具体的には、

  • 特許権
  • 実用新案権
  • 意匠権
  • 商標権

などがあります。

例えば、医薬品の特許権を取得すると、特許権者が独占して製造販売できます。

特許権には原則20年の特許期間があります。特許期間を経過した医薬品は国民の共有財産となり、ジェネリック医薬品として特許権者以外の者も製造販売できるようになります。

弁理士の業務内容

弁理士の業務内容は特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権を取得するための手続や書類作成の代理です(弁理士法第4条)。

弁理士の働き方

弁理士の働き方について

  • 特許・法律事務所
  • 企業(インハウス弁理士)
  • 大学や研究機関
  • 海外の企業や事務所

の4つの場所ごとにご紹介します。

特許・法律事務所

弁理士が特許事務所や法律事務所で働くのは、最もオーソドックスと言えるでしょう。

事務所に所属する場合と、独立開業する場合があります。

特許事務所に所属すれば特許明細書の作成が主な仕事です。

法律事務所に所属すればクライアントの技術を権利化することがメインとなったりします。

独立開業する場合、弁理士としての能力のみならず、経営力や営業力も求められます。

企業(インハウス弁理士)

企業で働く弁理士のことを、インハウス弁理士等と呼びます。

インハウス弁理士は知的財産権を取扱う企業の社員として、法務部などに所属します。

所属企業の知的財産権について、出願から訴訟事件の対応まで全般に担当します。

大学や研究機関

弁理士での実務経験を活かして、大学の知的財産学部における教授や指導員として働く弁理士もいます。

知的財産権に関する研究機関において法律や制度の改善等に寄与する活動などを行う人もいます。

海外の企業や事務所

海外の企業や事務所で働く弁理士もいます。

知的財産権の申請は国単位です。

したがって海外の企業が日本に進出する場合、日本での知的財産権を取得する必要があります。

また、日本企業が海外に事務所(支店)を出す場合も同様です。

自社の知的財産権が他国で侵害されていれば、他国での法的手続きを採る必要があります。

弁理士の年収

事務所で働く弁理士の平均年収は700万円前後と言われています。

独立開業したり、大企業の役職者となると、年収1,000万円以上となることもあるようです。

弁理士の将来性

弁理士の将来性について、

  • 国際特許の出願数増加
  • 独立開業ができる
  • コンサルタントとしても活躍可能

の3点を挙げて解説します。

国際特許の出願数は増加傾向

弁理士のメイン業務は特許の出願です。

過去10年間の特許出願件数は、2011年の約34万件から、2020年の約29万件と減少傾向です。

しかし、国際調査報告件数を見ると、2011年の約3万5,000件から、2020年の約5万件と増加しています。

また、PTC出願(特許国際条約に基づく出願)は2011年の約16万件から、2019年約26万件と大幅に増加しています。

国際特許における出願数は増えており、弁理士の業務の幅は広がっていると言えるでしょう。

※参考:特許庁「第1章 総括統計」、WIPO「World Intellectual Property Indicators 2020

独立開業可能

ここまで「弁理士は事務所を独立開業できる」と説明してきました。

改行には弁理士としての能力に加え営業力や経営力も求められますが、独立開業し専門業務を行うことができる職種は多くありません。

コンサルタントとしても活躍できる

弁理士は知的財産権の出願や訴訟事件のみならず、知的財産権を活かして企業経営や新規事業創出に向けたアドバイスをするコンサルタントとして活躍することも可能です。

上記の3点より、弁理士は将来性も高い職種と考えられます。

また、弁理士の業務は最先端の技術を研究者や開発者からヒアリングし文章に変換する能力が求められるためAIに代替される可能性も低いと言われています。

弁理士になれる人・なれない人

ここまで弁理士の仕事や将来性について解説してきました。

ここからは弁理士になる方法として、まず最初に弁理士になれる人となれない人を紹介します。

弁理士法7条により、弁理士になれる人は以下に該当する人と定められています。

  • 弁理士資格に合格した人
  • 弁護士資格を有する人
  • 特許庁において審判官又は審査官として審判又は審査の事務に従事した期間が通算して7年以上になる人

同法8条で、弁理士になれない人は以下と定められています。

  • 刑事処分を受けた人:禁固以上の刑に処せされた人など
  • 業務上の処分を受けた人:公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から3年を経過しない人など
  • 制限行為能力者など:未成年や破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人など

弁理士になるには

弁理士になるには原則として、

  • 弁理士試験に合格する
  • 実務研修に参加する
  • 弁理士登録を行う

ことが必要です。以下で順に解説します。

弁理士試験に合格する

受験資格 特になし、誰でも受験可能
受験料 12,000円(特許印紙にて納付)
試験日程 短答式試験:5月中旬~下旬、論文式試験:6月下旬~8月上旬、口述試験:10月下旬~11月上旬
合格率 令和2年9.7%、令和元年8.1%、平成30年7.2%
難易度 高い

弁理士試験の概要は上記の表にまとめています。

弁理士試験の受験資格は特にありません。学歴や年齢に関係なく誰でも受験できます。

論文式試験は必修科目が6月下旬~7月上旬、選択科目が7月下旬~8月上旬に実施されます。

合格率を見てもわかるように、弁理士試験の難易度は高いです。

平成26年以降の合格率はいずれも10%未満であり、合格に必要な勉強時間は司法書士と同様3,000時間以上と言われています。

実務研修に参加する

弁護士登録をするには、弁理士試験合格後、約4か月間の実務研修に参加する必要があります。

例年実務研修は12~3月に行われます。

受講料として118,000円が必要です。

弁理士登録を行う

弁理士試験に合格し実務研修終了後、日本弁護士会に登録申請書を提出して弁護士登録を行います。

申請時には

  • 登録免許税:60,000円
  • 登録料:35,800円
  • 登録月の会費:15,000円

の計110,800円が必要です。

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