2021.11.26
AIは弁護士の仕事にどう関わるのか【AIに代替されない人材になるには】

AIが仕事を奪うのではないか、と言われ始めてから数年が経ちました。

実際に一部の仕事はAI(人工知能)が行い、業務効率化を図る企業も増えてきています。

士業である弁護士も、AIに仕事が取って替わられるのではないかと言われています。

この記事では、弁護士業界とAIがどう関係していくのかを、弁護士の仕事内容や現在のAI導入事例などから考えていきます。

専門職がAIに取って代わられる時代の到来

英国の大学博士、マイケル・A・オズボーン氏が発表した論文によると、多くの職業がAIに取られると言われています。

弁護士を含めた士業や医師は高度な技能として、国家資格が設けられているために、簡単に取得できるものではありません。

しかし、弁護士の仕事もAIに奪われるのではないかという意見もあるのです。

科学技術の発展が著しいことで、なぜ弁護士などの士業も含めた仕事がAIに奪われると言われているのかを弁護士の仕事内容から考えていきます。

そもそも弁護士の仕事内容とは

弁護士は国家資格を有しており、法律のプロフェッショナルとして、様々な法律相談を受けます。

弁護士が働く先といえば「法律事務所」のイメージが強いですが、国や地方公共団体、国際機関、企業などに属する弁護士もいます。

弁護士の仕事内容は、

  • 法律の相談を受ける(ヒアリング業務や依頼者の情報を整理整頓する)
  • 法律を確認し、事実を組み立てる(判例の確認もする)
  • 損害賠償額を決める
  • 契約書文面の精査や新製品、サービスなどが法的に問題ないかをチェックする

などがあります。

AIは弁護士の仕事すべてを代替できない

2015年に発表された野村総研とオックスフォード大学の共同研究では、2030年までに日本の約半数もの労働人口がAIなどのロボットから職を奪われると発表されました。

2017年に日経新聞でも、過去に今後10~20年の間でAIに替わっていく士業のデータが発表され、弁護士は1.4%の可能性があるとされています。

行政書士や税理士は90%を越えています。

弁護士の仕事は単純業務だけでなく、相談者の話をよく聞き、感情を読み取る能力が必要とされます。

しかし、AIにはこのような仕事はまだ難しいため、弁護士の仕事は代替されないのではないかと考えられます。

弁護士の仕事内容でAIが代替できること

一方で、弁護士の仕事内容がAIで代替できる部分もあります。

どういった内容の仕事が該当するのか以下で解説します。

法的に問題ないかのチェック

契約書の文面チェックには現在でもAIが導入されており、実際に日本でも使っている事務所が存在します。

契約書をAIにチェックさせると、抜け漏れを何十箇所も見つけ、指摘をしてくれるようです。

契約書のボリュームが多ければ、人間が行うには大きなリソースを使いますが、AIだとシステムが行ってくれるのでより効率的でしょう。

一方で、契約書は扱うのが「人」であり、合理的な文面だけでうまくいくことだけではないために、最後には感情を持っている人が判断する必要はありそうです。

過去の判例から賠償金を算出する

AIには学習機能も備わっているため、データベースが整っていれば、人間よりも遥かに早く答えが出せるでしょう。

弁護士は法律を照らし合わせて、損害賠償金を決めるシーンがありますが、同じ判例が過去になかったかデータベースで照合し調べることができます。

レアなケースではないもの、例えば交通事故などは過去に判例があるため、より適正な答えを導き出せると考えられます。

人工知能弁護士「Ross」の存在

2016年、アメリカにある「Baker & Hostetler弁護士事務所」は人工知能弁護士である「Ross」と契約をしたことを発表しています。

RossはIBMの「Watson」が持つ自然言語処理エンジンを利用したもので、ROSS Intelligence社が開発しました。

「Watson」は自然言語処理エンジンによって、入力した内容がすでにある情報と似ているかを判断するのが特徴です。

主に破産などの業務に関わっており、法人・個人の破産手続き処理をAIによって処理しています。

弁護士業界でAIはどう活用されていくのか

上記の「弁護士の仕事内容でAIが代替できること」の内容は、まず最初に代替えされてしまう可能性があります。

AI・人工知能が仕事を奪うと叫ばれる前から、電話相談をした際には音声ガイダンスが流れ、ボタンを押して分類、カスタマーサポートにつながらず、電子音声だけでの対応をするなどがありました。

弁護士業界でも、精度の低い分類は次々に導入をされていき、将来的には高度な分類ができるようになるでしょう。

一方で、刑事事件のように大きな「責任問題」があり、過去の判例だけでAIが決めるには難しく、判断しづらい状況もまだまだあります。

AIが弁護士の仕事を肩代わりして全てを判断して、人を裁くことは倫理的側面での障壁が高いため現実的ではないでしょう。

AIに左右されない弁護士とは

では、AIに左右されない弁護士とはどう行った能力・技術を持ち合わせているのでしょうか。以下で解説します。

コミュニケーション能力の高い弁護士

弁護士は依頼者の話を親身に聞いたり、相談を受けて相手が求めている対応をしたりと、人でしか行えないコミュニケーションが重要な職業です。

依頼者に寄り添った円滑なコミュニケーションはAIではできていないため、コミュニケーション能力が高い弁護士は必要とされ続けるでしょう。

新しい技術に苦手意識がない

弁護士だけでなく、さまざま業界の仕事がAIに替わると言われています。

しかし、AIを上手く活用して人間でしかできない仕事に注力するという考え方もあります。

例えば、書類探しや過去の判例との照らし合わせなどは人間が行うよりもAIの方が効率が良く、ミスも防げるでしょう。

新しい技術であるAIを牽制するのではなく、うまく活用していく意識や知識は今後必要と言えます。

弁護士とAIの将来

AIに仕事を奪われると思うのではなく、AIをうまく活用する考え方が必要です。

AIが発展するからこそ、弁護士のコミュニケーション能力は再度問われ、依頼者との関係性を良くできる弁護士の需要は高まるでしょう。

法務業務を企業内で行う弁護士の需要なども増えており、法律事務所だけではなく、ビジネスシーンでの弁護士としてのキャリアもあります。

企業内弁護士のような、法律だけでなく、経営者にアドバイスをするような立場であれば、むしろAIを素早く取り入れて、業務効率化をはかるのが良さそうです。

▶企業内弁護士とは企業の一社員として働く弁護士

まとめ

弁護士を含めた士業の多くの仕事がAIに奪われる未来が来るかもしれません。

書類の手続きや契約書チェック、過去の判例チェックなど、人間がやると面倒なことをAIが効率的に行なってくれるのは、良い面もあります。

不安な一面だけを見るのではなく、業界自体のありかたや、弁護士の仕事とは何かを前向きに今一度考えるきっかけにもなりそうです。

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