業界トピックス2020.09.11
弁護士の仕事内容とさまざまな働き方

弁護士といえば、裁判で「異議あり!」と声を上げたり、無罪を証明してえん罪を防いだりするイメージが強いと思います。

リーガル・ハイの古美門先生のようにお金に汚い印象もあるかもしれません。

実際の弁護士の仕事は様々です。

この記事では弁護士の仕事を詳しく紹介します。

弁護士とは法律の専門家

弁護士はありとあらゆる法律問題を取り扱う法律の専門家です。

法律の専門的な知識を使って、法律的なトラブルを予防・解決・整理します。

弁護士法1条によると、弁護士は基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命としており、クライアントの正当な権利を実現するために尽力します。

弁護士には難しい司法試験に合格した人だけがなることができます。

弁護士の仕事内容

世の中には、人の数だけ法律的なトラブルが生じうるため、無数の法律問題があります。

法律問題の種類も多種多様です。そのため、弁護士の仕事内容は多岐にわたります。

ここでは弁護士の仕事内容を、

  1. 民事事件に関する業務
  2. 刑事事件に関する業務
  3. 企業法務に関する業務
  4. 顧問弁護士の業務
  5. 憲法・行政に関する業務

の5つに分けて紹介します。

民事事件に関する業務

民事事件とは、人と人との間で起こる私生活上の争いです。身の回りの様々なことが民事事件に発展し得ます。

例えば、

  • お金の貸し借り
  • 離婚
  • 相続
  • 遺言
  • 子どもの親権
  • 交通事故や医療ミスの損害賠償

などがあります。

民事事件に関する弁護士の業務は事案の内容や深刻度によって、多岐にわたります。

必ずしも裁判をするわけではありません。

私的な争いが生じる前には紛争を予防するために、法的な助言をします。

争いが生じると、依頼者の代理人として相手方と交渉したり、書面を作成したりします。

話し合いで争いが解決しなかった場合、訴訟を提起するなど、裁判手続を利用します。具体的には、お金の返還を請求したり、離婚を裁判で確定してもらうように請求します。

民事裁判では、依頼者に有利な証拠を集めたり、和解の交渉などを行います。

刑事事件に関する業務

刑事事件とは、警察や検察官が介入する、刑法が規定する犯罪に関する事件です。

刑法にはたくさんの犯罪が定められています。

例えば、

  • 窃盗
  • 詐欺
  • 強盗
  • 殺人
  • 傷害

などがあります。

刑事事件に関する弁護士の業務も、犯罪の種類や依頼者の対応により様々で、必ずしも裁判での弁護に限られません。

起訴される前には被疑者の身体拘束を解放するために、裁判官と交渉をします。

和解をしたり、被害届を取り下げてもらうために、被害者と交渉をすることもあります。

依頼者が起訴された場合、依頼者に有利な判決を求めて、被告人を弁護します。

具体的には、証拠を集めて、アリバイを主張して無罪を証明したり、情状を主張して刑を軽くします。

刑事裁判は、裁判員裁判になる場合もあり、一般国民である裁判員にもわかるように弁護をする必要もあります。

企業法務に関する業務

企業法務とは、会社が活動をするために必要な法律業務のことです。

企業が活動する際には、たくさんの法律的な手続やトラブルが生じます。

例えば、

  • M&A
  • ファイナンス
  • 倒産
  • 知的財産
  • 独占禁止法
  • 労働

などの業務分野があります。

企業法務に関する弁護士の業務は、業務分野によって全く異なります。裁判を行うことは少ないです。

M&Aでクライアントに有利な契約交渉をしたり、効率の良い資金調達をしたり、倒産を予防したり様々な仕事をします。

企業法務は国際的な事件も多く、英語力が要求される場面もあります。

また、企業法務を専門とする弁護士は、実務家向けの本を執筆することがあります。

顧問弁護士の業務

顧問弁護士とは、会社と顧問契約を結び、継続的に会社の様々な法律問題に対処する弁護士です。医師でいうかかりつけ医のような存在です。

顧問弁護士は、企業法務に限らず、会社内の民事事件・刑事事件についても相談を受けます。

顧問弁護士がいることで、会社は気軽に会社に精通した弁護士に相談できます。

憲法・行政に関する業務

憲法や行政に関する事件を取り扱う弁護士もいます。一般市民対国・地方公共団体の事件が多いです。

例えば、

  • 選挙訴訟
  • 原発の差止訴訟
  • 公害問題
  • 税金問題
  • まちづくり問題

などがあります。

国や地方公共団体を相手に、一般市民が訴訟を提起するパターンが多い傾向です。

弁護士の働く場所

弁護士の仕事内容が多種多様であることを説明しました。

弁護士は働く場所も様々です。ここからは弁護士の働く場所を解説します。

法律事務所が代表的

弁護士の多くは法律事務所で働いています。

各法律事務所には、得意分野や取り扱い分野に特徴があります。

法律事務所の中でも、五大法律事務所といわれる

  • 長島・大野・常松法律事務所
  • 西村あさひ法律事務所
  • アンダーソン・毛利・友常法律事務所
  • 森・濱田松本法律事務所
  • TMI総合法律事務所

は在籍する弁護士数が多く、大手の法律事務所として有名です。

自治体や企業で働く弁護士も

法律事務所には所属せず、企業や自治体で働く弁護士もいます。

ここでは、

  • 社外役員
  • 企業内弁護士
  • 自治体内弁護士

の3つを紹介します。

社外役員

社外役員とは、社外取締役と社外監査役のことです。

社外取締役や社外監査役は、会社の外部の視点から企業経営をチェックします。

弁護士は会社法・金融証券取引法など、会社のルールに精通しています。

そのため、弁護士が会社の社外取締役や監査役になって、企業を監督することがあります。

法律の専門家が役員になることで、法的紛争を未然に防ぐことができます。

企業内弁護士

企業内弁護士とは企業が雇用する専任弁護士のことです。インハウスローヤーや社内弁護士とも呼ばれます

企業活動をすると様々な法的問題が生じ得ます。

企業内弁護士は企業の法務部に所属し、企業内の法律問題に専任することが多いです。

企業に精通した弁護士が身近にいることで、適切で迅速な対処ができます。

企業内弁護士を雇う企業の数や企業内弁護士の数は、近年増加傾向にあるようです。

自治体内弁護士

自治体内弁護士とは、都庁・県庁・市役所などで地方自治体の職員として働く弁護士のことで、行政庁内弁護士とも呼ばれます

地方自治体は、地域住民との間で法的紛争を抱えることがあります。住民訴訟など、訴訟に発展することも少なくありません。

自治体内弁護士は、地方自治体の法律問題に専任することが多いです。

地方自治体に精通した弁護士が身近にいることで、適切で迅速な対応ができます。

▶弁護士事務所・法律事務所・弁護士法人の違い

弁護士の働き方

弁護士の雇用形態は、所属する事務所や団体によって異なります。

法律事務所に所属する弁護士は、委任契約の形態で雇われることが多いですが、労働契約の形態で雇われることもあります。

弁護士の勤務時間や休日も、事務所や時期・抱えている案件によって異なります

勤務時間や休日が定められている事務所もあれば、弁護士に任されている事務所もあります。

弁護士は、クライアントの要望に合わせて働くため、迅速な仕事が要求される案件がある場合は、時間や休日を気にせず働くこともあります。

とても大変ですがその分やり遂げた際のやりがいも大きい仕事です。

弁護士の1日

法律事務所で働く弁護士のある日のタイムスケジュールを例として紹介します。

実際の弁護士の仕事は様々で、急な法律相談にも対応しなければならないこともあります。

  • 9:00   出勤、メールの確認、スケジュールの確認
  • 10:00 事務所内での打ち合わせ
  • 11:00 クライアントとの法律相談
  • 12:00 昼食
  • 13:00 裁判、証人尋問
  • 15:00 帰所、報告書の作成
  • 16:00 内容証明郵便の作成
  • 17:00 契約所の起案
  • 19:00 帰宅

弁護士の年収・給料

年収・給料は、所属する事務所や年次、個人によって大きく異なりますが、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」で弁護士の平均年収が発表されています。

弁護士の平均年収は約850万円、平均月収は約65万円です。

手取りに換算すると、月収おおよそ40万円になります。

日本人全体の平均年収は約306万円(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査の概況」より)であることから、全体平均と比較すると弁護士の年収はかなり高いことがわかります。

弁護士になるには

ここからは弁護士になる方法を解説します。弁護士になるのは簡単な道ではありません。

具体的には、

  • 司法試験に合格すること
  • 司法修習を経て弁護士登録すること

が必要です。

司法試験に合格

弁護士になるためには、司法試験に合格する必要があります。

司法試験は日本で一番難しい試験とも言われ、簡単に合格することはできません。

司法試験を受験するには、法科大学院を卒業するか、予備試験に合格しなければなりません。

法科大学院を卒業するか予備試験に合格することで、司法試験の受験資格を得ることができます。

法律を勉強している人は2年間の既習コース、法律を勉強していない人は3年間の未修コースに進みます。

予備試験は、法科大学院を卒業せずに、司法試験受験資格を得るための試験です。

司法修習は、司法試験合格者が、弁護士・検察官・裁判官になるために受ける、1年間の研修です。

法律事務所などで現場を見て実務を学んだり、実務的な授業を受けたりします。

司法修習は、導入修習・分野別実務津修習・集合修習・選択型実務修習の順で行われます。

勉強する内容は、主に民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目です。司法修習を終えると二回試験といわれる試験を受験します。

試験科目は、民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目です。

二回試験を合格すると法曹資格を得ることができ、弁護士資格を取得できます。

司法修習と登録

司法試験に合格すると、「司法修習」と呼ばれる1年間の研修を受けることができます。

司法修習では、法律事務所などで現場を見て実務を学んだり、実務的な科目の授業を受けたりします。

司法修習を終えると、二回試験を受験します。二回試験に合格すると、晴れて弁護士資格を得ることができます。

弁護士として働くためには、弁護士会に弁護士登録をしなければなりません。

弁護士会は、各都道府県にあり、勤務地の弁護士会で弁護士登録を行う必要があります。

まとめ

  • 弁護士は法律の専門家
  • 弁護士の仕事は裁判だけでなく、いろいろなものがある
  • 民事事件・刑事事件・企業法務が代表的な弁護士の仕事

今回は「弁護士の仕事」について解説しました。

弁護士といえば裁判で答弁するイメージが強いですが、弁護士の仕事はそれだけではありません。

働く場所もさまざまで、法律事務所だけでなく、企業や自治体で働く弁護士もいます。

意外とあなたの身近な場所でも弁護士は活躍しているかもしれません。

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