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2020.09.15
四大法律事務所とは日本の企業法務を支える4つの大手法律事務所
「四大法律事務所」という言葉を知っていますか。
法律事務所や弁護士に詳しい方にとっては常識ですが、四大法律事務所とは日本の法曹界をけん引する
の4つの法律事務所の通称です。
今回は四大法律事務所について、それぞれの特徴や違い等を解説します。
INDEX
四大法律事務所とは、日本国内において所属弁護士数の多い4つの大規模法律事務所、
の通称です。
「四大」や「四大事務所」と略されることもあります。
巷では四大法律事務所の弁護士について、
など多くの噂があります。
四大法律事務所はこれまで合併や統合、吸収を繰り返し大規模化してきました。
近年は四大法律事務所に「TMI総合法律事務所」を含んだ「五大法律事務所」もよく使われています。
次項から各事務所ごとに、沿革や特徴、他の事務所との違い等を説明していきます。
西村あさひ法律事務所は日本最大の弁護士数を誇る事務所です。
西村あさひ法律事務所には643名の弁護士が所属しています(2020年9月1日現在)。
日本法弁護士が594名、外国法弁護士が49名です。
税理士や弁理士、パラリーガル、職員を含めると総勢1,500名以上にのぼる大規模な法律事務所です。
2004年に西村総合法律事務所がときわ総合法律事務所と統合して、西村ときわ法律事務所となりました。
2007年に西村ときわ法律事務所があさひ法律事務所国際部門と統合して、現在の西村あさひ法律事務所が設立されました。
西村総合法律事務所・あさひ法律事務所は、渉外事務所として知られていました。
ときわ総合法律事務所は事業再生・破産において知られていました。
西村あさひ法律事務所の弁護士数は今や600名を超え、日本最大の法律事務所となっています。
西村あさひ法律事務所の拠点は以下の通りです。
東京、名古屋、大阪、福岡
バンコク、北京、上海、ドバイ、ハノイ、ホーチミン、ジャカルタ、ニューヨーク、シンガポール、台北、ヤンゴン、香港
西村あさひ法律事務所の危機管理チームは主に元検事をリーダーに採用しており、危機管理分野に定評があります。
また、日本最大の弁護士数を活かした、大型のM&A案件の実績があります。
事業再生・倒産分野でも著名な先生が多く所属しています。
西村あさひ法律事務所の最大の特徴は、日本最大の600人を超える弁護士数です。
取扱う案件の規模も大きく、数々の日本を代表するM&A案件を成立させています。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所とは対照的に完全なチーム制であるため、若手の弁護士が専門分野の案件に集中することで、専門性を効率よく高めることができます。
なお、採用もチームごとに行われます。
参考:「西村あさひ法律事務所」
続いて「訴訟の森」とも呼ばれる森・濱田松本法律事務所を紹介します。
森・濱田松本法律事務所には585名の弁護士が所属しています(2020年9月1日現在)。
日本法弁護士が454名、外国法弁護士が131名です。
森・濱田松本法律事務所は、森綜合法律事務所と濱田松本法律事務所が統合して設立されました。
森綜合法律事務所は大手渉外事務所の1つです。
訴訟や倒産等の国内案件を中心に活動しており、これが今でも「訴訟の森」と言われる由縁でもあります。
濱田松本法律事務所は渉外金融法務において著名でした。
森・濱田松本法律事務所の主な拠点は以下の通りです。
東京、名古屋、大阪、福岡、高松
バンコク、北京、上海、ホーチミン、シンガポール、ヤンゴン
森・濱田松本法律事務所は「訴訟の森」と言われることもあり、紛争・争訟分野を得意としています。また、日本初の案件に取り組むことで、企業法務をめぐる判例法理の形成に大きく貢献しています。
金融、キャピタルマーケット、M&A で外部からの評価が高く、受賞歴も多いです。
森・濱田松本法律事務所では入所1年目はローテーション制を採用しており、自分に合った専門分野の開拓がしやすいという点も特徴です。
近年では、日本の法律事務所として初めて海外大手法律事務所を買収・経営統合しました。
伝統ある法律事務所であるとともに、今もなお革新と発展を続けています。
参考:「森・濱田松本法律事務所」
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は国際法律事務所として有名です。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所には510名の弁護士が所属しています(2020年9月1日現在)。
日本法弁護士が475名、外国法弁護士が35名です。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、
が合併、ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所が統合し設立されました。
1952年にジェームス・ビュウェル・アンダーソン弁護士、1953年にリチャード・W・ラビノウィッツ弁護士、1955年にアーサー・一雄・毛利弁護士が東京弁護士会に準会員登録を行いました。
1963年にアンダーソン・毛利法律事務所の前身「アンダーソン・毛利・ラビノウィッツ法律事務所」が設立されました。
アンダーソン・毛利法律事務所は、日本における本格的国際法律事務所の草分けとして第一線で活躍してきた法律事務所です。
友常木村法律事務所は、グローバルな証券発行等の国際金融取引やクロスボーダーの投資案件で多くの実績を持っています。
ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所はアメリカの大手法律事務所との外国法共同事業を通じて展開してきました。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所の拠点は以下の通りです。
東京、大阪、名古屋
北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ
アンダーソン・毛利・友常法律事務所の始まりはアメリカの外国弁護士が東京弁護士会の準会員として行う弁護士業務です。
この生い立ちから、アメリカやイギリス等の企業が日本でビジネスを展開するインバウンドの法的サポートに強みをもっています。
さらに、北京オフィスや上海オフィスをはじめアジアを中心に海外進出することで、日本企業が海外へ出て行くアウトバウンドの法的サポートにも強みをもっています。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、海外企業からの評価が高く、グローバルな証券発行等の国際金融取引やクロスボーダー案件において多くの実績を有する法律事務所といえるでしょう。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所の特徴は、厳格な部門制を採用していない点です。
他の四大法律事務所は、M&Aチーム、ファイナンスチーム、訴訟チームなどの部門制を採用しています。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所では部門制を採用しておらず案件ごとのチームが作られるため、若手弁護士が様々な案件に関わることができます。
四大法律事務所の中でも、自由な風土があるといえるでしょう。
参考:「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」
最後に、渉外事務所として発展してきた長島・大野・常松法律事務所を紹介します。
長島・大野・常松法律事務所には502名の弁護士が所属しています(2020年9月1日現在)。
日本法弁護士が463名、外国法弁護士が39名です。
長島・大野・常松法律事務所は、長島・大野法律事務所と常松簗瀬関根法律事務所の統合により設立されました。
長島・大野法律事務所は所沢・長島法律事務所を起源としています。
フルサービス・ファームを目指して組織の充実に努め、大型案件にも充分対応できる数少ない国内法律事務所として規模を拡大しました。
常松簗瀬関根法律事務所は、トーマス・L・ブレークモア氏が開設したブレークモア法律事務所の数名の弁護士がブレークモア法律事務所日比谷分室として独立・設立、国際的証券・金融関係にともなう法律分野を中心に業務を拡大しました。
2000年に長島・大野法律事務所と常松簗瀬関根法律事務所の全所属弁護士が参加して、長島・大野・常松法律事務所となりました。
現在では長島・大野・常松法律事務所は国内を代表する大手渉外法律事務所となっています。
長島・大野・常松法律事務所の主な拠点は以下の通りです。
東京
ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、上海、ジャカルタ
長島・大野・常松法律事務所はニューヨークオフィスなど幅広い海外拠点を活かし、大型案件を手掛けています。
特に、銀行・金融・キャピタルマーケットは、従前の常松簗瀬関根法律事務所のノウハウを生かし、数多くの実績を残しています。
長島・大野・常松法律事務所は「当事務所に所属する弁護士全てが依頼者に対して最高の質を有する法務サービスを提供するという共通の目的のために協力し合うこと、また、その協力により最高の質の法務サービスを提供することを最も大切な理念」としています。
かかる理念を実現すべく、依頼者ごとに最適なチーム編成を行いフルカバレッジのリーガルサービスを提供しています。
近年ではリーガルテックベンチャーに8億円の出資をする等、積極的にAI技術を駆使した最先端のサービスの提供を試みているようです。
参考:「長島・大野・常松法律事務所」
この記事では「四大法律事務所」について説明しました。
四大法律事務所には一法律事務所としての役割だけでなく、日本の企業法務をリードすることも求められています。
もっと詳しく知りたいという方は各事務所のホームページ等もご覧になってみてください。
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