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2020.11.19
弁護士がダブルライセンスを取得するメリットと組み合わせ例
弁護士は法律事務全般を取扱うことができる資格です。
弁護士資格を持つ人が、さらに資格を取得することをダブルライセンスと言います。
ダブルライセンスを取得すると業務の幅が広がり、広義でキャリアアップにつながることもあります。
この記事では弁護士のダブルライセンスについて解説します。
INDEX
例えば弁護士と公認会計士のように、2つもしくは複数の資格を取得することをダブルライセンスと言います。
弁護士資格とは別にさらに2つの資格を取得し合計3つの資格を取得することを「トリプルライセンス」といいます。
弁護士資格を持つ人がダブルライセンスやトリプルライセンスで他の資格を取得することで、業務の幅を広げることができる場合があります。
弁護士がダブルライセンスを取るメリットは、
の大きく2点が挙げられます。
メリットの1つ目は「共通の知識を活かせる」です。
例えば、司法書士が主たる業務とする登記業務は、
法律行為に伴う事務手続きです。
したがって、法律事務全般を業務とする弁護士(弁護士法第3条第1項)とは法律行為に伴う業務という点が共通します。
司法書士が弁護士資格を取得することで、法律相談や受任後の手続きにおいて登記手続きをするための事件処理が可能です。
また、司法試験と司法書士試験は、
試験科目において共通する科目があり、資格を取得するために、別の資格のために学んだ知識を活かすことができることがあります。
メリットの2つ目は「弁護士としての専門性が高まる」です。
例えば、司法書士が弁護士資格を取得した場合、登記手続にも精通した法律家となることができます。
通常弁護士は、登記手続の経験がないことが多いです。
したがって、業務上、登記手続が必要になると知り合いの司法書士等に依頼することが多いです。
司法書士が弁護士資格を取得することで、ワンストップで早期かつ安価にサービスを提供ですます。
ここからは、弁護士のダブルライセンスで取得する資格の組み合わせの例として、
の7つを紹介します。
司法書士の主な業務内容は登記や供託の代理手続です。認定司法書士となれば、一定の範囲で法律事務の代理人となることもできます(司法書士法第3条)。
司法書士資格を取得するには一般的には、司法書士試験に合格することが必要です(司法書士法第4条、参考:日本司法書士会連合会「司法書士を目指す人へ」)。
弁護士との共通点は、登記や供託手続等に関する法律事務を取扱うことです。
弁護士と違う点は、司法書士が取扱うことができる法律事務には制限があることです(司法書士法3条第1項、第2項)。
そのため、司法書士が弁護士資格を取得すると仕事の幅が広がるという大きなメリットがあります。
しかし、弁護士が司法書士資格を取ることによる仕事上のメリットは特にありません。よって、弁護士と司法書士のダブルライセンスは、司法書士が弁護士資格を得たケースとなります。
弁護士が登記や供託手続等にも精通した法律家となるには司法書士資格を取得するのではなく、手続を実際に行う必要があります。
税理士の主な業務内容は
です(税理士法第2条、同条の2)。
税理士資格を取得するには、一般的には税理士試験に合格する必要があります(税理士法第3条、参考:日本税理士会連合会「税理士の資格取得」)。
弁護士との共通点は租税に関する法律事務を取扱うことで、弁護士と違う点は税理士が取扱うことができる法律事務には制限があることです(税理士法第2条第1項)。
したがって、税理士が弁護士資格を取得すると仕事の幅が広がるという大きなメリットがあります。
例えば、税理士は租税に関する事項については裁判所について保佐人として出頭、陳述することが可能ですが(税理士法2条の2第1項)、弁護士資格を取得すれば訴訟代理人となることも出来ます。
しかし、弁護士が税理士資格を取ることによる仕事上のメリットは特にありません。
よって、司法書士と同様、弁護士と税理士のダブルライセンスは、税理士が弁護士資格を得たケースになります。
弁護士が租税に関する分野にも精通した法律家になるには、税理士資格を取得するのではなく、確定申告書等の書類作成を実際に行う必要があります。
公認会計士の主な業務内容は企業(※個人事業主含む、以下同じ)の財務情報が適正かどうかについて独立した専門家の立場から意見を表明する財務諸表監査です(公認会計士法第2条)。
公認会計士資格を取得するには、公認会計士試験に合格することが必要です(公認会計士法第3条、参考:日本公認会計士協会「公認会計士試験について」)。
弁護士との共通点は、企業法務に関する業務において、監査や会計の面から紛争解決や紛争予防に資することです。
弁護士と違う点は、弁護士は依頼人である企業の利益を重要視するのに対して、公認会計士は財務情報の適正確保による経済活動の安全という社会的利益を重要視することです。
弁護士は、法律事務全般を業務とすることができます。したがって、公認会計士が弁護士資格を取得すると仕事の幅が広がるという大きなメリットがあります。
他方、弁護士が公認会計士資格を取得することによる仕事上のメリットは、企業財務の監査に関する知識を有していることを証明することにあります。
弁護士が企業監査に関する知識を有していれば、企業再編の際に、取引相手となる企業の財務情報も確認でき、依頼人である企業にとってより適切な手段や方法を提案することができます。
なお、公認会計士資格の取得により税理士の租税に関する業務も行うことができます。
したがって、弁護士が企業監査に関する知識に加えて租税に関する知識も備えれば、より仕事の幅が広がります。
すなわち、
には業務の共通性があるため、税理士が公認会計士資格と弁護士資格を取得すればトリプルライセンスとなります。
弁理士の主な業務内容は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権を取得するための手続や書類作成です(弁理士法第4条)。
弁理士資格を取得するには、一般的には弁理士試験に合格、実務修習(4か月程度)を行うことにより取得できます(税理士法第3条、参考:日本弁理士会「弁理士になるには」)。
弁護士との共通点は、特許等の出願等に関する業務において、紛争解決や紛争予防に資することです。
弁護士と違う点は、特許等の出願手続や書類作成は弁理士の専権業務であることです(弁理士法75条)。
したがって弁護士が税理士資格を取得すると、特許等の出願に対する依頼について、出願手続や書類作成を弁理士に依頼することなくワンストップで行うことができるようになります。
社労士の主な業務内容は労働社会保険業務における、行政機関に提出する書類や申請書等の作成です(社会保険労務士法第2条、同条の2)。
社労士資格を取得するには、社会保険労務士試験に合格する必要があります(社会保険労務士法第3条、参考:全国社会保険労務士連合会「社労士になるには|)。
弁護士との共通点は、労働社会保険業務に関する法律事務を取扱うことです。
弁護士と違う点は、社労士が取扱うことができる法律事務には制限があることです(社会保険労務士法第2条、第2条の2)。
社労士が弁護士資格を取得すると仕事の幅が広がるというメリットがありますが、弁護士が社労士資格を取得することによる仕事上のメリットは特にありません。
ただ、社会保険労務士名簿に社会保険労務士として登録しないと、社会保険労務士と名乗ることはできず、事務所に社会保険労務士又はこれに類似する名称を用いることはできません(同法第26条1項)。
弁護士は社会保険労務士に登録できるので(同法第3条第1項)、登録により事務所の名称に社会保険労務士を加えることで労働社会保険業務も扱える弁護士であることをアピールできるメリットはあります。
弁護士が労働社会保険業務にも精通した法律家になるには、社労士資格を取得するのではなく、労働社会保険業務を実際に行う必要があります。
中小企業診断士の主な業務内容は、企業経営に関する診断を行い、成長戦略策定や実行のための施策のアドバイスです(中小企業支援法第13条第2項)。
中小企業診断士の資格を取得するには、中小企業診断士試験に合格する必要があります(中小企業支援法第11条、参考:中小企業診断協会「どうしたら中小企業診断士になれるの?」)。
弁護士との共通点は企業法務に関する業務において、成長戦略策定の面から支援することです。
他方、弁護士と違う点は、中小企業診断士の業務は「中小企業者」(中小企業診断法第2条)という一定規模の事業者に対するアドバイスに限られる上、法律事務はできないことです。
中小企業診断士が弁護士資格を取得すると仕事の幅が広がるという大きなメリットがあります。
他方、弁護士が中小企業診断士資格を取得することによるメリットは、企業経営に関する診断を行い、成長戦略策定や実行のための施策をアドバイスする能力を有していることを証明することにあります。
弁護士がかかる能力を有していれば、事業者からの紛争解決相談や依頼があった際、成長戦略という方向性からの適切な手段や方法を提案することができます。
医師の主な業務内容は医学に基づく傷病の予防や治療です(医師法第17条~24条の2)。医師の資格を取得するには医師国家試験に合格する必要があります(医師法第9条~16条)。
弁護士との共通点は、医療に関する問題について予防や紛争に支援することです。
弁護士と違う点は、医療に関する知識や技術を有することを前提として医業が出来ることです。
したがって、弁護士が医師資格を取得すると医療過誤の事件において、被害者側(患者)、加害者側(医師)、いずれの立場においても医療行為の過失の有無が争点となった際に、自らの知識に基づいた主張や立証ができる等、医療に関する事件を取扱う点でメリットとなります。
しかし、医療行為をするに当たって法律事務は通常行わないため、医師が弁護士資格を取得するメリットは特にないとも考えられます。
弁護士は法律事務全般を取扱うことができます。
先述したダブルライセンスの組み合わせ例のうち、弁護士資格保有者が新たに取得をすることで仕事の幅が広がる資格としては、
です。
また、上記組み合わせのうち、
は、いずれも企業法務に関連する知識を有するため、これらの資格保有者が弁護士資格を含めた複数の資格を取得した結果、ダブルライセンス、トリプルライセンスを有する弁護士として活動できます。
この資格は取得に必要な試験の科目においても、会社法に関連する法律を中心として共通する科目があります。
もっとも、既に弁護士資格を有する方は、
することで、これらの有資格者であることを名乗ることにより、対外的に知識や能力を有することをアピールすることで仕事の幅を広げることができます。
以上、ご自身のキャリアアップにつながるダブルライセンスの取得検討の際の参考になれば幸いです。
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