業界トピックス2020.12.22
弁護士の平均年収と年収を上げる方法

司法試験改革に伴う司法試験合格者数の増加に伴い弁護士数の増加も増加しています。

「弁護士の増加に伴い弁護士の年収が下がった」、「そもそも仕事を得ることが厳しい」といった報道がされることがあります。

それは本当なのでしょうか。

この記事では厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を元に弁護士の平均年収はどのくらいなのか、また、弁護士が年収を上げるいくつかの方法を解説します。

弁護士の平均年収は約730万円

厚生労働省の2019年の「賃金構造基本統計調査」によると、弁護士の平均年収は727.96万円(約728万円)です。

平均年収の内訳は、

  • 決まって支給される現金給与額:約603万円
  • 年間賞与その他特別給与額:約126万円

となっています。

時間外労働分、いわゆる残業分の給与は約2万円です。

これは弁護士の業務形態の多くが業務委託等の個人事業主でありサラリーマンのような雇用契約ではないため、少ないことによるものと考えられます。

以降で、弁護士の

  • 事務所規模別の年収の違い
  • 男女別の年収の違い
  • 過去10年間の年収の推移

を解説していきます。

なお、今回扱う「賃金構造基本統計」では、法律事務所として最も数の多い従業者10人未満の法律事務所が対象となっていません。

また、あくまで平均年収であることに留意し、1つの参考としてください。

※データの詳細や語句の解説はこの章の最後「データについて」をご参照ください。

弁護士の事務所規模別の年収の違い

弁護士の年収の違いを企業規模別(法律事務所の規模別)に確認します。

  • 従業者1,000人以上:約770万円
  • 従業者100~999人:約648万円
  • 従業者10~99人:約765万円です。

法律事務所の規模は平均年収に直接関係なさそうです。

弁護士の男女別の年収の違い

  • 男性弁護士:約730万円
  • 女性弁護士:約726万円

男女別の弁護士の平均年収には、ほとんど差は見られませんでした。

データについて

「きまって支給する現金給与額」とは『労働契約、労働協約あるいは事業所の就業規則などによってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって6月分として支給された現金給与額をいう。手取り額でなく、所得税、社会保険料などを控除する前の額』です。

「所定内給与額」とは『きまって支給する現金給与額のうち、超過労働給与額を差し引いた額』です。

「超過労働給与額」は時間外勤務手当や深夜勤務手当などです。

「年間賞与その他特別給与額」とは『調査実施年の前年1年間(原則として1月から12月までの1年間)における賞与、期末手当等特別給与額(いわゆるボーナス)』です。

この記事では、(「きまって支給する現金給与額」×12)+年間賞与その他特別給与額を計算し、平均年収としています。

弁護士が年収を上げる方法

弁護士が年収を上げる方法はいくつかあります。

以下では、

  • 現在の所属先を維持して年収を上げる方法
  • 現在の所属先を変えて年収を上げる方法

の2つに分類して解説していきます。

現在の所属先を維持して年収を上げる方法

弁護士が現在の所属先(法律事務所)で年収を上げる方法としては、

  • 勤続年数を積み重ねる
  • 個人事件の受任を増やす
  • パートナー弁護士に昇格する

の3つが考えられます。

勤続年数を積み重ねる

所属する法律事務所との契約形態によりますが、業務内容に特に問題がなければ勤続年数の積み重ねることにより報酬がベースアップとなる事務所は多いです。

特に業績が良ければ賞与に反映されたり、ベースアップの報酬額がより高くなったりします。

個人事件の受任を増やす

現在の所属先が、

  • 個人事件の受任が可能
  • 個人事件の報酬を弁護士個人の収入にできる契約形態

であれば、個人事件の受任を増やせば増やすほど収入は上がります。

もっとも、個人事件の受任は所属先の業務を問題なく遂行していることが前提となるため、個人事件の受任件数を増やすというのは容易ではありません。

現実的な方法としては、費用対効果の良い事件に絞って個人事件として受任するという方法が考えられます。

パートナー弁護士に昇格する

法律事務所に所属する場合、最初はアソシエイト弁護士になります。

アソシエイト弁護士として5~10年程業務をこなすとパートナー弁護士に昇格できる場合があります。

パートナー弁護士は、

  • 法律事務所の運営に携わる
  • アソシエイト弁護士を指導する

立場です。

そのため、パートナー弁護士になることで必然的にアソシエイト弁護士より年収は高給になります。

▶パートナー弁護士とはマネジメントに関わる”経営弁護士”

現在の所属先を変えて年収を上げる方法

弁護士が現在の所属先(法律事務所)を変えて年収を上げる方法としては、

  • 転職
  • 独立

の2つが考えられます。

転職

現在の所属先よりも条件の良い法律事務所や企業に転職すれば、年収が上がります。

転職は手っ取り早く弁護士の年収を上げる方法の1つと言えます。

最近では企業に所属する弁護士(インハウスローヤー)も増えています。

インハウスローヤーは基本的に雇用契約です。

雇用契約の場合、健康保険料や雇用保険料を使用者が一部負担してくれる等個人事業主という勤務形態よりも実質的な収入が増えるという側面があります。

同じ年収であれば業務委託契約のような個人事業主という勤務形態より雇用契約の方が良い条件といえるかも知れません。

転職の際には、単に収入の金額の大小のみならず勤務形態や福利厚生面の待遇、弁護士会費を所属先が負担してくれるか否か等も考慮すべきでしょう。

独立

独立して法律事務所を開業し自身が経営者となれば、行った仕事に対する報酬は基本的に自身の収入となります。

事務所の経営にあたり、事務所の賃貸料や事務職員の給与等固定費の出費が発生します。

よって、独立するには一定数の顧問契約による顧問料収入(定期収入)が確保されているような状況になってからが望ましいです。

固定費の出費を抑えつつ独立する方法としては、修習の同期等で気が合う弁護士と共同経営する方法もあります。

▶弁護士が独立するメリットと失敗しないために考えるべきこと

まとめ

  • 弁護士の平均年収は約730万円
  • 弁護士の男女別や従業員数別の平均年収に大きな差は見られない
  • 年収を上げる方法は複数あり、所属先を変えるか変えないかで大きく二分される
    • 所属先を変えない場合は個人受任を増やす、パートナー弁護士を目指す等がある
    • 所属先を変える場合は転職や独立で年収があがる可能性がある

弁護士は法律事務全般を業務とすることができる資格者で、業務の仕方によっては大きな収入を得る可能性があります。

一方で大手の法律事務所や個人経営の場合、高額な収入を得られる反面、土日も仕事をする等過酷な業務を強いられる場合もあります。

自身の能力やライフスタイルに合わせて年収を上げていく方法を考えると良いでしょう。

士業管理部門転職なら
アガルートキャリアに
お任せください

以下フォームからお問い合わせいただけます

Triangle Triangle

関連記事

カテゴリから記事を探す

他業種の記事を見る

士業管理部門転職なら
アガルートキャリア
お任せください

以下フォームからお問い合わせいただけます

Triangle Triangle