知的財産翻訳検定とは

日本企業が欧米や中国などの海外で特許申請などのため知的財産権を取得する場合、英語や中国語に翻訳する必要があります。

知的財産翻訳検定はそういった場面で用いられる、知的財産に関する翻訳能力を問われる検定です。

今回は知的財産翻訳検定を取得するメリットや知的財産翻訳検定試験の概要を解説します。

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知的財産翻訳検定とは

知的財産翻訳検定とは、特許明細書などの知的財産に関する翻訳能力を有していることを証明できる資格です。

日本知的財産翻訳協会(NIPTA)が実施しています。

知的財産翻訳検定を取得するメリット

日本企業が海外に特許出願を行う際に必要となる特許明細書の翻訳には、通常の技術翻訳力に加えて特許特有のものの考え方や国際的に確立されている専門知識が求められます。

知的財産に関する翻訳能力を有していることを証明することで知財財産に関連する仕事をしている方にはスキルアップとなります。

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知的財産翻訳検定試験について

知的財産翻訳検定試験について、

  • 受験資格
  • 各級のレベルと出題内容
  • 合格基準
  • 合格率
  • 難易度

などをまとめています。

※金額はすべて税込みです。2021年4月時点の情報のため、最新情報は日本知的財産翻訳協会のウェブサイトをご確認ください。

受験資格

いずれの言語及び級も受験資格に関する制限はありません。誰でも受験可能です。

各級のレベルと出題内容

知的財産翻訳検定には1~3級があります。

各級のレベルと出題内容は、以下の通りです。

英語試験(英文和訳・和文英訳)

1級
  • レベル:知的財産分野における専門職業翻訳者として推薦できる
  • 出題内容:知財法務実務、電気・電子、機械、化学、バイオテクノロジーの5分野から選択
2級
  • レベル:特許明細書翻訳の基本を理解し実務に堪える力がある
  • 出題内容:一般的な技術内容(技術分野選択なし)及び特許明細書翻訳力
3級
  • レベル:特許翻訳の入門者・初心者レベル
  • 出題内容:知財英語についての基礎知識の有無を問う出題(技術分野選択なし)

中文和訳・独文和訳

  • レベル:特許明細書翻訳の基本を理解し実務に堪える力がある
  • 出題内容:一般的な技術内容(技術分野選択なし)及び特許明細書翻訳力

試験方法

試験方法は、受験する言語や級により異なります。

英語試験

  • 1級・2級:完全記述式
  • 3級:記述式と選択式

中文和訳・独文和訳

いずれも完全記述式

試験日

年2回(春検定と秋検定)

春検定は例年4~5月、秋検定は例年10~11月に実施されます。

春検定は和文英訳、秋検定は英文和訳です。中文和訳と独文和訳は、秋検定のみ実施です。

受験料

英語試験

  • 1級:15,000円
  • 2級:10,000円
  • 3級:5,000円

中文和訳・英文和訳

10,000円

合格基準

合格基準は受験する言語や級により異なります。

英語試験

1級

解答訳文について特許翻訳の専門性の観点から評価し、誤訳、訳抜け、不適切訳、文法の誤りその他について深刻度に応じた重み付けをして減点採点されます。

一定のレベルをこえる解答者(受験者)を1級認定候補者とし、面接を経て1級合格者に認定されます。

2級

解答訳文について特許翻訳の基礎力の有無を評価し、誤訳、訳抜け、不適切訳、文法の誤りその他について深刻度に応じた重み付けをして減点採点されます。

一定のレベルをこえる解答者(受験者)を2級合格者として認定します。

3級

配点は、

  • 記述問題:20点
  • マークシート方式択一課題80点(計40問、1問2点)

です。

記述問題については20点満点からの減点方式、マークシート方式択一課題については正答点数の累計を得点とし、両方を加えた数字がスコアとなります。

スコアが一定の基準に達すると合格ですが、記述問題において著しい瑕疵(文法基本、文章構成力、基本的な特許用語の誤り)が多数ある場合は不合格となります。

中文和訳・独文和訳

解答訳文について特許明細書中文和訳の基礎力の有無を評価し、誤訳、訳抜け、不適切訳、文法の誤りその他について深刻度に応じた重み付けをして減点採点されます。

一定のレベルをこえる解答者(受験者)が合格者となります。

合格率(2020年度秋検定実施分)

合格率は受験する言語や級によって異なります。

英語試験

  • 1級:約17%
  • 2級:約30%
  • 3級:約82%

中文和訳

約42%

独文和訳

約18%

難易度

知的財産翻訳検定は知的財産関係の翻訳者として従事している方がスキルアップとして受験することも多い検定です。

英語試験での英語力は最低でもTOEIC700点以上は必要であるため、総合的に難易度は高いと言えるでしょう。

英語試験の3級であれば独学での取得も可能ですが、2級以上になると専門のスクールなどを利用した方が良いです。

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この記事の監修者

弁護士・法務・コンプライアンス・特許・知財など、リーガル領域を中心とした管理部門の方のキャリア支援を行う。東証一部上場企業での人材紹介事業部の立ち上げ等も経験。中途採用・転職に関する深い知見を有し、選考企業ごとの個別面接対策も行い、多くの求職者の転職支援実績を有する。

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