法務とコンプライアンスの違い
- 更新日:2025.07.08
企業において、法令遵守、すなわちコンプライアンスに対する意識は年々高まっています。
一般的に企業においてコンプライアンスを担当するのは法務部です。
しかし最近では「法務部門」「コンプライアンス部門」と部門を分ける企業もあります。
この記事では法務とコンプライアンス違いを、内容や役割といった視点から解説します。
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INDEX
法務とコンプライアンスは同じ部分と異なる部分がある
法務とコンプライアンスには、共通する部分と異なる部分があります。
法務とコンプライアンスの同じ部分
法務とコンプライアンスの共通する部分は、紛争解決・紛争防止に関連する業務であることです。
法務は企業の法律に関連する紛争解決・紛争防止業務です。
コンプライアンスは法務の一部であり、企業の法律以外に関連する紛争解決・紛争防止業務です。
法務とコンプライアンスの異なる部分
法務とコンプライアンスの異なる部分は、法律に関連しない業務の取扱いの有無です。
先に述べたように、法務は企業内部の法律に関連する紛争解決・紛争防止業務です。倫理や道徳といった問題は、通常法務の業務に含まれません。
コンプライアンスには法律の遵守に加えて、社会通念上のルールに従うための業務も含まれます。
コンプライアンスは社会的倫理や道徳といった、法律に関連しない紛争解決・紛争防止業務も取扱います。
企業における法務とコンプライアンス
企業における法務とコンプライアンスの役割や機能、具体的な仕事内容を解説します。
法務部門
法務部門は企業の法律に関連する紛争解決・紛争防止業務を行います。
役割や機能
法務部門の役割は主に法律に関連する紛争解決です。
機能としては事後的な紛争解決機能の側面が強く、社内弁護士のような存在です。
具体的な仕事内容
法務部門の具体的な業務内容は、
- 契約・取引業務
- 組織業務
- 紛争対応業務
- 社内業務
といったように様々あり、コンプライアンス業務も含まれます。
▶法務とは法や法律に関する事務や業務を行い、事業を推進・リスク回避をすること
コンプライアンス部門
コンプライアンス部門は、法務の業務のうち、特に法律以外のルールの遵守に関する業務を行います。
役割や機能
コンプライアンス部門の役割は、主に法律以外のルールに関連する紛争解決です。
機能としては紛争防止機能の側面が強く、他部門との密接な連携が期待されます。
具体的な仕事内容
コンプライアンス部門の具体的な業務内容は、
- 業界の自主ルールの確認業務
- 社会通念上のルールの確認業務
- 社内ルールの作成や周知業務
などが挙げられます。
コロナ禍においては、日常的なマスクやフェイスシールドの着用、ソーシャルディスタンスの確保といったものが社会通念上のルールといえます。
法務とコンプライアンスで部門を分けない企業も
法務とコンプライアンスの業務は異なりますが、部門を分けない企業も珍しくありません。
多い少ないで言えば、分けない企業の方が多いです。
最近は特に大企業で、法務部門とコンプライアンス部門を分ける企業が増えているようです。
法務とコンプライアンスを部門として分けない理由は、コンプライアンスも広くは法務の業務に含まれ、例えば契約内容には法律の遵守のみならず、社会通念上のルールの遵守に関する事項も含まれることがあるからです。
部門を分けることで連動性が悪くなり、業務効率が低下するデメリットが生じ得ます。
また、企業の多数を占める中小企業の場合、法務部門は少人数であるため、コンプライアンス部門も兼任することが多いようです。
▶未経験者の法務への転職が難しい理由と、あきらめたくない人へのアドバイス
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この記事の監修者
弁護士・法務・コンプライアンス・特許・知財など、リーガル領域を中心とした管理部門の方のキャリア支援を行う。東証一部上場企業での人材紹介事業部の立ち上げ等も経験。中途採用・転職に関する深い知見を有し、選考企業ごとの個別面接対策も行い、多くの求職者の転職支援実績を有する。
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