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2022.01.21
企業法務とは|具体的な仕事内容や役割
企業法務とは、企業活動を行う際に付随するすべての法律的な業務です。
昨今、企業のコンプライアンスの重要性が高まっていることや、企業の利益増・コスト削減などに影響することから、重視されている業務のひとつです。
この記事では、企業法務の役割や具体的な仕事内容、企業法務に必要なスキル・資格などを詳しく解説します。
企業法務には、企業に起きた紛争を解決する側面と、企業に起こり得るトラブルを未然に防ぐ予防法務の側面があります。
法的な紛争になると多くのコストが生じ、社会的信用の失墜につながる可能性もあるので、企業法務にはこれらを的確な手段で速やかな対処が求められます。
また、予防法務を怠るとトラブルが増え、多くのリソースを割かねばならなくなり、企業の効率性や生産性の低下を招きかねません。
企業法務は、企業の信用を維持することで企業の成長や利益増大を支え、余計なコストの削減を実現する重要な役割を担っています。
企業法務には、具体的にどのような役割があるのでしょうか。
企業法務には、企業活動に関わる法令や規制等を把握して管理する役割があります。
企業として守らねばならない法令や業界独自の条例、自社ルールなどを把握して社員に遵守徹底させるほか、裁判例や取扱慣行などの情報収集なども行わねばなりません。
このほか、定款、議事録、許可証・登録証などの重要法務文書の管理も、企業法務の仕事です。
企業法務は、企業の経営政策を構築する際に、法的な落ち度の有無の確認を行います。
他社との競合において、自社が有利になるような法的な戦略を立てるのも、企業法務の役割のひとつです。
紛争やトラブルが起きないようにする予防対策も、企業法務の重要な役割です。
予防対策は、企業間紛争を防ぐ活動(契約法務)と、法令違反を防ぐための活動(コンプライアンス法務)に大きく分かれます。
前者は、専門知識を活かして、齟齬がないように契約書等を作成する努力が必要です。
後者は、社員に法令を遵守させるよう、意識を高める研修の実施や、違反を防ぐ体制づくりなどが重要となります。
契約事故や民事・刑事等の企業間紛争が起こった場合は、それらに対処するのも企業法務の役割です。
特に刑事訴訟や行政事案は、対応を間違えると企業の存続に関わることにもなりかねないので、予防法務による日頃からの対策が重要となります。
企業法務の具体的な仕事は、以下のように幅広い分野にわたります。
各分野別に関連する法律も含めて詳しく説明します。
企業法務が行う労務関係の仕事とは、労務環境の整備や労務紛争の解決などです。
労働基準法や労働安全衛生法、労働組合法、労働契約法などを遵守した労務管理になっているかを、常にチェックする必要があります。
また、パワハラやセクハラ、残業代の未払い、労働災害など、労務上の問題に対する対応も行います。
会社法や会社法施行規則に準じて、株主総会や取締役会の開催や運営、株主の管理、コーポレートガバナンス等を行います。
企業活動におけるさまざまな契約書の作成や、相手から提示された契約書のチェックを行います。
トラブルとなった際に自社の利益を確保する意味でも、契約書の作成・チェックは非常に重要な仕事のひとつです。
自社製品の商標や著作権、意匠権、特許権等の知的財産権の管理や、トラブルの解決も企業法務の仕事です。
逆に、自社が他社の知的財産を侵害する可能性もあるので、競合他社の知的財産や特許は確認しておく必要があります。
商標法や著作権法、意匠法、特許法などが、この分野の業務に関連します。
企業法務は、自社の債権を管理し、未払いがあれば回収する、債権回収や債権管理も行います。
債権未回収は企業の収益悪化に直結するので、速やかな対処が求められます。
企業法務は、相手からの訴訟・クレームへの対応や、取引上のトラブルなど、さまざまな紛争解決も担います。
必要書類の準備や顧問弁護士への依頼、マスコミ対応の準備なども含まれます。
企業活動で日常的に関わる法律やルール等の遵守の徹底も、企業法務の仕事です。
景品表示法や下請法、特定商取引法、個人情報保護法などのほか、警備業であれば警備業法など、業界や業種特有の法令もあるので、すべてを遵守する必要があります。
M&Aを行う場合に、自社のリスクを正しく洗い出し、買収対象者の企業価値を落とさないようなリスクヘッジが必要となり、これらを行うのも企業法務の仕事です。
経営者や社員からの相談やヒアリングを行い、サポートを行うのも企業法務の業務範囲です。
企業法務の仕事は法令や契約に関わる仕事であるため、以下の資格を保有していると役立つことが多いです。
法律の専門家であり、事件や紛争を法律に基づいて解決を行う弁護士は、企業におけるトラブルの解決や予防法務を行うにも、取得しておきたい資格です。
弁護士資格は、以下で説明する司法書士や行政書士、弁理士、社会保険労務士の各分野も委任を受けられ、総合的な資格として有用です。
司法書士の資格があると、商業登記や不動産登記、供託等の手続きが可能です。
法務省から認定された認定司法書士は、140万円以下の紛争案件ならば、相手との交渉や訴訟手続が可能です。
行政書士は、国や自治体に提出する許認可関係の書類の作成等ができます。
特許や実用新案等の出願は、一般的に弁理士に相談します。この資格があると、企業における知的財産権の手続き・管理などの面で優位となります。
社会保険の手続きを行い、労務管理全般の専門家である社会保険労務士の資格も、企業法務の仕事には有利となります。
このほか、
などの資格が企業法務に関わります。
最後に、企業法務担当者に必要なスキルを説明します。
企業法務の仕事は多岐に渡り、社内だけではなく交渉相手や社外の専門家など、たくさんの人と接することから、相手の意見を引き出し、自社に有利になるよう説得・交渉するなどのコミュニケーション能力が求められます。
相手に合わせた調整力や協調性も、必要です。
企業法務担当者には、正しい情報を集めて法的知識に基づき正確に分析を行う、情報収集力と分析力が欠かせません。
頻繁に更新される法律をアップデートするほか、必要なときに必要な情報を得られる、的確な情報源を抑えておくことも重要です。
法律に関する専門的な知識はもちろん、企業経営や労務管理、経理等の知識も習得しておくと、企業法務としてのスキルアップを図れます。
CONSULTANT
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