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2020.11.06
就職で有利になる司法試験の順位
司法試験を目指す人にはそれぞれ理想の法曹像があると思います。
弁護士として荘厳なオフィスの法律事務所で世界的な案件に取り組んだり、裁判官になって新しい判例を作ったり、検察官として許されざる悪を裁いたり、様々な夢を掲げていることでしょう。
自分の希望する進路に進むために必要とされることは様々です。
その中でも司法試験の順位がどう評価されるかは気になるところだと思います。
この記事では、司法試験の順位が法曹の就職にどう影響するのかを解説します。
INDEX
司法試験の順位は就職に影響することが多いです。
司法試験の順位が良い方が大手法律事務所や大企業に就職できる可能性が高いです。
どのような人材が欲しいかは事務所や企業によって異なります。しかし、少なからず書類選考の段階では司法試験の順位を見ていることがほとんどです。
裁判官や検察官も、各司法修習生の成績を把握しているといわれています。
司法修習の際に、司法試験で上位の成績の修習生に目を付けています。
任官・任検を目指す場合も司法試験の順位が高い方が有利です。
司法試験の順位が就職に影響する理由は、その人が実務家として活躍できるかを判断する指標となるからです。
短答式試験では、法律の知識量が問われます。
法曹たる者、条文や判例の知識がインプットされていなければいけません。知識量が多さは実務でも活躍するための前提条件といえるでしょう。
論文式試験では、書面の作成能力・事務処理能力が問われます。実務家の仕事のほとんどは、書面を作成することです。
裁判官や相手方を説得できるわかりやすい文章を書ける人が優秀な実務家といわれています。
また、法曹三者は一度に沢山の案件を担当するため、素早く事件を処理できる力も求められます。論文式試験の点数は、文章のわかりやすさや処理のスピードを反映します。
以上のことから、司法試験の順位は、就活生の実務能力を測る資料となります。
就活で有利になる司法試験の順位は500位以内といわれています。
合格者は毎年1500人程度なので上位3分の1に入れば比較的有利になります。
合格順位が1桁や2桁になるととても有利に就職を進めることができます。
就活で不利になる司法試験の順位は1000位以下といわれており、下位3分の1に入ると不利になります。
ただし他の側面からカバーすることもできるので、順位が芳しくなくても落ち込む必要はありません。
裁判官になるために絶対に必要な司法試験の順位はありません。
ただし高順位であればあるほど任官しやすいです。具体的には100位以内であれば声を掛けられやすいといわれています。
裁判官には落ち着いた人間性や豊富な知識が求められるので、順位以外の面でもアピールすることが必要です。
検察官になるために絶対に必要な司法試験の順位はありません。
ただし、順位が高い方が、任検できる可能性は高いです。具体的には100位以内であれば積極的に任検を誘われやすいといわれています。
検察官には熱い人柄や激務に耐える体力も求められるので、順位以外の点でもアピールすることができます。
全ての弁護士の就職が司法試験の順位と関係するわけではありません。いつ弁護士の就活を始めるかはその人や事務所によって異なります。
法律事務所の就職活を開始するタイミングは、
に分けられます。
このうち、就職が司法試験の順位と関係するのは、司法試験合格発表後から就活を始める人です。
一般的に、
に採用が始まります。
司法試験合格発表後には、中堅の法律事務所や大手法律事務所の採用枠が残っていないことが多いです。
そのため、主に小規模の法律事務所の就活において司法試験の順位が重要となります。
有名弁護士事務所に必ず必要な司法試験の順位は事務所によって様々です。
有名弁護士事務所の中には司法試験の順位を重視している事務所が沢山あります。
四大法律事務所は司法試験受験直後に内定を出し始めます。そのため、司法試験の順位が発表される前に採用枠のほとんどが埋まります。
司法試験合格発表後に4大法律事務所に就職するためには最低でも100位以内の順位が必要と言われています。
1桁の順位だとかなりの確率で枠を奪えることでしょう。
小規模の有名弁護士事務所でも100位以内や500位以内とボーダーが設定されていることが多いです。100位以内の合格者としか面接をしないといった事務所もあります。
司法試験の順位以外に就職に有利になるものとして、
が挙げられます。
学部やロースクールの成績・GPAが良い方が就職で有利です。
人気の法律事務所ではGPAが3.5を超えていることが最低条件として設定されていることもあり、低くともGPA3は確保したいところです。
裁判官や検察官は、成績・GPAを参考程度に聞いてくることもあります。
真面目に学校生活に取り組んでいること自体はポジティブに評価されます。
出身の大学やロースクールはどの進路でも重視されます。
東大や京大の出身者は最も優先して採用を検討され、次いで一橋・慶應・早稲田などの有名大学・ロースクールの卒業生に内定が出されやすいようです。
予備試験合格者であることと予備試験の順位が高いことは、法曹の就職においてとても有利になります。
予備試験の合格者であれば大手法律事務所のウィンタークラークに参加できます。
ウィンタークラークは予備試験合格者だけの就職活動の機会です。ウィンタークラークで先輩方と相性が合えば、司法試験受験前に内定をもらえることもあります。
予備試験合格者というだけで書類選考はほぼ通るので、ほとんどの事務所で面接をしてもらえるでしょう。
予備試験の順位が良ければ四大法律事務所などの有名法律事務所でも採用されやすくなります。
特に論文式試験の順位が100位以内だと、いずれかの四大法律事務所からは内定をもらえるといわれています。
裁判官や検察官も予備試験合格者の採用に力を入れています。
検察官は毎年、予備試験合格者のみを対象とした説明会を開催しています。裁判官や検察官は予備試験の順位や四大法律事務所の内定を有していることに着目しています。
予備試験合格者であれば、任官・任検の可能性も高くなります。
予備試験に高順位で合格すれば、学歴や成績が芳しくなくとも、希望の進路に進むチャンスを得ることができます。
弁護士事務所は若い年齢で入所できる人を採用したがる傾向にあり、司法試験に若くして合格した方が就活で有利になります。
裁判官や検察官も若い年齢で司法修習に来ている人に目をつけることが多いです。
若い年齢で司法試験に合格するためには、学部生のうちに予備試験に合格したり、司法試験に1発合格することが必要です。
英語の能力が高いと就職に有利に働くことがります。
グローバル化に伴い、国際的な法律事件が急増しています。法曹三者は、依頼者が外国人であったり、外国の法令が問題となったり、英語で書かれた書面を読む場面に出くわすことが多々あります。
キャリアの途中で海外のロースクールに留学する法曹も多いです。
英語ができると即戦力として重宝され、就活の際に積極的に声を掛けられるでしょう。
具体的にはTOEIC900点以上、TOEFL100点以などの良い点数を取ると有利になり得ます。
英語以外の外国語の能力が要求されることがあります。
近年、四大法律事務所は世界中にオフィスを展開しています。特定の国の法務に力を入れている小規模の法律事務所もあります。
あらゆる事件に対応できるように、英語以外の外国語の能力を持った人材は評価されます。
例えば、中国語、ロシア語、スペイン語などのニーズが高まっているようです。
企業法務系法律事務所では簿記の資格が評価されることもあります。
企業法務では、貸借対照表や損益計算書などの会計書類を読みこなす必要があります。
数字を扱う能力は実務家になってから鍛えるのでも足りますが、既に数字に慣れている人は就活の段階でも高く評価されます。
関連する公認会計士の資格や簿記1級を持っているとかなり有利です。
WordやExcelなどパソコンを操作する能力が有利に働くこともあります。
裁判書面はパソコンで作成します。訴状や連絡書面はワードで作りますし、証拠説明書や尋問事項書はExcelで作成します。
パソコンの操作に慣れていることもアピールできる材料の1つになります。
学部やロースクールの成績・GPAと司法試験の順位のどちらが就職に関係するかは進路によります。
弁護士の場合、法律事務所によって重視する観点が異なります。
成績・GPAを重視している事務所もあれば、司法試験の順位を重視している事務所もあります。
一般的には、あまりに酷い成績や順位でないことが重要です。
裁判官や検察官の場合は、司法試験の順位が強く関係します。他方、成績・GPAは見られないことがほとんどです。
ただし、出身の大学・ロースクールが特に重視されます。
司法試験の順位は高いに越したことはありませんが、決してそれだけではありません。様々な事情の総合考慮で評価されます。
以上、司法試験の順位と法曹の就職の関係について解説しました。
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