2021.01.26
戦略人事とは経営と人材マネジメントの両側面に精通した人事

2020年は新型コロナウイルス感染拡大を受け、私たちの身の回りの状況は目まぐるしく変化しました。

企業においてもグローバル化や働き方改革の推進などをうけ、変化を求められることが増えています。

そんな中、経営戦略の実現に向けて重要な「戦略人事」が注目されています。

戦略人事という言葉は聞いたことがあっても、内容をよく理解できていない方は多いのではないでしょうか。

この記事では戦略人事について1から解説していきます。

戦略人事とは

戦略人事とは、戦略的人的資源管理(Strategic Human Resources Management)の略で、経営戦略の実現に向けて人的資源の管理(人事)を行うことをいいます。

米国ミシガン大学のデイビッド・ウルリッチ教授が提唱し、書籍「MBAの人材戦略」でまとめられています。

従来の人事は効率的な人的資源の管理が目的とされ、オペレーション業務を主業務としていました。

オペレーション業務とは、給与計算や労働時間管理、人事配置などの人的資源を管理する業務です。

戦略人事は、オペレーション業務に加え、経営戦略の実現に向けた人的資源の管理を業務内容とします。

これまで現状維持の経営でも企業が生き残ることができました。

しかし、近年は経営環境が急激に変わり、競争も激化しています。

新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革、グローバル化による外国企業の参入がその例です。

人事も経営戦略を意識しなければ、企業が存続することが難しくなってきました。

最近では大企業を中心に戦略人事が導入され始めています。

戦略人事と経営戦略との関係

戦略人事と経営戦略は「手段と目的」の関係にあります。

経営戦略という目的を達成する手段の1つとして戦略人事が行われます。

経営には「戦略・戦術・戦力・環境」の4つの要素が必要であるといわれています。

経営戦略を実現するためには、それを実現することができる戦力(人的資源)と、その戦力が能力を発揮できる職場環境が整っていなければいけません

戦略人事は、経営戦略の実現に向けて、戦力と環境を整備する役割を果たします。

戦略人事と人事戦略との違い

戦略人事と人事戦略は似ていますが、全く違う言葉です。

人事戦略とは優秀な人材を採用し、優秀な人材を育成するための戦略をいいます。

例えば長期インターンシップを開催したり、研修を外注に切換えたりといった取組みが挙げられます。

戦略人事と異なり、人事戦略では人事が経営戦略に深く関わるか否かは問いません

戦略人事と従来の人事との違い

戦略人事 従来の人事
目的 経営戦略を実現する 人的資源を管理する
スタンス 攻めの人事 守りの人事
業務内容 経営戦略と人事管理の連動 オペレーション業務
経営者との関係 共同パートナー 経営者に従う
社員としてのポジション 社員のトップ 社員の1人
アウトソーシング化 原則的に不可

戦略人事と従来の人事担当者の違いをまとめたのが上の表です。

戦略人事と従来の人事との違いは、主に人事の目的にあります。

戦略人事は経営戦略を実現することを目的としており、攻めの人事といわれます。従来の人事は、効率的に人的資源を管理することを目的としており、守りの人事といわれます。

戦略人事と従来の人事では、業務内容にも違いがあります。

戦略人事は人事担当者は経営戦略を意識して人事を行い、従来の人事担当者はオペレーション業務を中心に行います。

人事担当者と経営者との関係や、人事担当者の立ち位置も異なります。

戦略人事の担当者は経営者のパートナーとして、社員を統括する地位です。従来の人事は経営者が決めた方針に従って、単に社員の1人として労務管理をします。

アウトソーシングできるか否かにも違いがあります。

企業が自社の業務を外部の専門業者に外注委託する「アウトソーシング」に関し、人事はアウトソーシング化ができますが、戦略人事は原則的に難しいです。

戦略人事に必要な4つの機能

デイビッド・ウルリッチ教授によると、戦略人事には、

  • HRBP
  • CoE
  • OD&TD
  • Ops

の4つの機能が必要であるといわれています。

HRBP(HRビジネスパートナー)

HRBPはHuman Resources Business Partnerの略です。

HRBPとは人事部門と経営者がビジネスパートナーであるということです。

人事部門には、経営者の考え方を深く理解し、経営のスキルを獲得することが求められます。

▶攻めの人事「HRBP(HRビジネスパートナー)」とは

CoE(センターオブエクセレンス)

CoEはCenter of Excellenceの略です。

CoEとは人事部門が人的資源管理に関する卓越したスキルを有することです。

エクセレンスは卓越や優秀を意味します。戦略人事を行うには、採用・配置・考課・育成などにつき、専門的な知識と技能が必要です。

人事部門は人事のプロフェッショナル集団でなければなりません。

OD&TD(組織開発&人材開発)

ODはOrganization Developmentの略で組織開発、TDはTalent Developmentの略で人材開発の意味です。

ODは企業理念や経営戦略を組織に浸透させて、方向性の定まった組織を開発するということです。

戦略人事を行うために、企業理念や経営戦略が醸成され、洗練された組織である必要があります

TDは社員の知識やスキル、マインドを鍛えて、理想的な人材を開発するということです。

戦略人事を行うため、人的資源自体も優秀である必要があります

Ops(オペレーションズ)

OpsはOperationsの略です。

Opsとはオペレーション業務を正確かつ効率的に処理するということです。

給与計算や労働時間管理、人事配置といったオペレーション業務は、企業にとって必要不可欠です。

戦略人事においても従来の人事と同様、オペレーション業務を適切に行うことは必須です。

戦略人事を導入するメリット・デメリット

企業が戦略人事を導入すると多大なメリットがありますが、実際に導入は容易ではありません。

ここでは、企業において戦略人事を導入するメリットとデメリットを考えてます。

戦略人事導入のメリット

戦略人事を導入するメリットには、

  • 人事を適正かつ迅速に行い、状況や時代の変化に対応しやすくなる
  • 経営戦略に適合した人的資源の配置ができる
  • 人事担当者のレベルアップを図ることができる

などが挙げられます。

従来の人事では、人事採用や人事異動をするにもたくさんの会議や決裁が必要であることが通常でした。

これに対し戦略人事では人事部が経営者の方針を理解し共同経営者としての役割を果たしているため、人事部の決定で迅速に人事採用や人事異動を行うことができます。

これまで人事部は人的資源管理の効率を重視しており、経営戦略は二の次でした。

一方戦略人事は、経営戦略を実現するために、最も効果的な人的資源の配置をすることができます

さらに、戦略人事を担当する人事は経営についての深い理解が求められるため、人事担当者自身の能力向上が期待できます。

戦略人事導入のデメリット

戦略人事を導入するデメリットには、

  • 他の部署の反発を招きやすい
  • 導入が困難である

が考えられます。

戦略人事では、人事部が大きな力を持ちます

人事部の決定で希望しない部署に異動させられる社員等が発生しうるのです。そのため、他の部署からの反発を招く可能性があります。

また、戦略人事を行うためには、人事と経営の双方のプロフェッショナルが必要です。

人事と経営、両者に精通した人材を確保することは容易ではありません。

優秀な人材を確保できず、戦略人事を導入できないという場合も考えられます。

まとめ

  • 戦略人事とは経営戦略を実現するための人事
  • 戦略人事のメリットは時代に適合できること
  • 戦略人事を行うためには人材や体制の整備が必要である

以上、戦略人事について説明しました。

戦略人事の注目は人事部門が従業員の管理だけでなく、経営面を意識する必要が生じているとも言えるでしょう。

従来の人事のイメージを一新し、人事が経営の舵を取る未来はすぐそこかもしれません。

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